一度食べたら忘れられなくなるクリーミーで濃厚なギリシャヨーグルト。自家製ヨーグルトを作ったら必ず水切りする方もいらっしゃると思いますが、ギリシャヨーグルトって使う種菌によってスイーツ色が強くなったり、チーズっぽくなったりと、味や食感がだいぶ違ってくるんです。
それなら一体どの種菌が美味しいの?!ということで、今回はスーパーとネットで買える7種類の種菌を比較して、ギリシャヨーグルトにしたときにどれが一番美味しいかを検証してみたいと思います!
おすすめギリシャの種菌は・・・
先に結論から書きますが、一番おすすめの種菌は「パルテノ」です。パルテノが美味しいのは分かりきってますが、種菌としてもとても優秀。パルテノを種菌にした自作ギリシャヨーグルトは、パルテノの持つなめらかさやクリーミーさ、濃厚さまでしっかり引き継がれます。
7つの種菌から作ったギリシャヨーグルト
今回は7つの種菌からまず500gのヨーグルトを作り、市販の水切りポットを使って3時間水切りしたのですが、カスピ海ヨーグルトは水切りに失敗してしまいました。他の6つの見た目はほとんど変わりません。でも味や食感は一口食べれば分かるほどけっこう違います。
それぞれのギリシャヨーグルトの特徴を下の表にまとめてみました。
RANK | 商品名 | 特徴 |
---|---|---|
1 | パルテノ | ずば抜けてなめらかで、酸味が無く食べやすい。濃厚さや牛乳のコクが感じられて食べごたえがある。 |
2 | R-1 | 酸味が適度にあって爽やか。味と食感のバランスがとれていて食べやすい。 |
3 | ダヒ | 軽いホイップのような食べ心地でスイーツっぽい。酸味がほとんど無く、無糖で食べても美味しい。 |
4 | ブルガリア | かなりなめらかで濃厚さもあるけど酸味が強い。甘味を足したくなる。もったりしててお腹にしっかりたまる。 |
5 | ナチュレ恵 | なめらかで食感はいいが酸味が強い。独特の味もするので、クセがあると感じる場合もありそう。 |
6 | ケフィア | デザートというより料理感の強いヨーグルト。水切りしてもなめらかさがなかなか出ない。ギリシャにするよりもプレーンで食べたほうが食べやすい。 |
– | カスピ海 | 水切りに失敗 |
カスピ海ヨーグルトの水切り
カスピ海ヨーグルトの水切りに失敗した原因は、フィルターの目が大き過ぎたようで、ヨーグルトが下に流れ出てしまいました。カスピ海ヨーグルトを水切りする時はキッチンペーパーやガーゼを使うことをおすすめします。
ヨーグルトの評価について
今回、食感と味をしっかり評価するため、レーダーチャートを採用しました。項目は酸味、チーズ感、粘度、クリーミー感、なめらかさの5項目です。酸味、チーズ感、粘度は特に説明は必要ないと思いますが、クリーミー感となめらかさ。それに加え、記事の中で私が使っている言葉で意味が曖昧なものについて、先に少し説明します。
クリーミー感 | クリームっぽさ。クリームの食感と味。 |
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なめらかさ | 食感。舌に載せた瞬間にツルッとしてる。ガサガサしていない。 |
キメ細やかさ | 食感。食べている最中、味わっている時に密度が濃い。 |
まろやかさ | 味。口の中でやさしく丸みを持って味が広がる。刺激がない。 |
パルテノで作った自家製ギリシャは市販とそっくり
ギリシャヨーグルトを一躍有名にしたパルテノは3倍濃縮製法で作られており、スプーンを逆さにしても落ちないほど濃厚です。あの味は市販でしか楽しめない、と思うかもしれませんが実はそんなこともないんです。
ギリシャにしたら
パルテノから作った自家製ギリシャは、市販のパルテノにかなり近く、なめらかさが際立ちます。もったりしてて濃厚で一口の満足度が高い。このまろやかな味と食感は他のヨーグルトでは出せない、と思ってしまいます。酸味がほとんど無いので食べやすいです。甘味を足してもいいし、そのまま食べても十分美味しい。
CHECK
味と食感が良バランスのR1ギリシャ
風邪やインフルエンザの予防にいいと大人気のR-1ヨーグルト。R-1はそのまま食べるのが普通ですよね。でも実は自家製R-1は酸味が適度でギリシャにしても食べやすいんですよ。
ギリシャにしたら
R-1ヨーグルトを水切りすると、爽やかさとクリーミーさをしっかり感じられるギリシャヨーグルトになります。なめらかさがもう少しあればなお良いのですが、酸味・食感・味のバランスはよく取れてます。これなら無糖で食べれる方も多そう。
ホイップクリームのようなダヒ・ギリシャ
スーパーやコンビニでは見かけない、ちょっとレアなインドのダヒヨーグルト。ダヒは粉末種菌でしか売られていませんが、牛乳の味がしっかり感じられるヨーグルトで、ギリシャヨーグルトとの相性はとてもよいです。また上手く植え継ぎすれば種菌一袋で最長1か月間ヨーグルトを作り続けることができます。
ギリシャにしたら
ダヒを水切りすると、まるでホイップクリームのようでスイーツ感が出ます。牛乳の味が口にふわっと広がる。また、酸味がほとんどないので無糖でも美味しく食べることができます。そんなにもったりしてなくて、いい意味でパクパク食べれてしまいます。もう少しなめらかであればなお良し!
ブルガリアヨーグルトから作るギリシャは食べ応え十分
ブルガリアヨーグルトは日本で最初に発売されたプレーンヨーグルトで「これこそヨーグルト」と言いたくなる正統派。まろやかな風味となめらかな食感が特徴です。酸味はありますが舌触りがとても良く、ギリシャヨーグルトにするにはもってこいです。
ギリシャにしたら
実際にギリシャにして食べてみると、ヨーグルトのキメが細かくとてもなめらか。もったりとしており、クリーミーで食べごたえがあります。ただ割と酸味が強いので甘味を足さないと食べにくい。甘味を付けると酸味とのバランスが取れて、爽やかでさっぱりとした味が楽しめます。
酸味とクセで好みが分かれる水切りナチュレ恵
お腹周りのポッコリ感が気になる、という時に頼りにしたいのが、内臓脂肪を減らすのを助けてくれるガゼリ菌入りのナチュレ恵。酸味は強い方ですが舌触りがとてもなめらかで水切りし甲斐のあるヨーグルトです。
ギリシャにしたら
ナチュレ恵で作ったギリシャヨーグルトもかなりなめらかで、食感はブルガリアヨーグルトに近いです。酸味も強い。ただ、酸味以外にナチュレ独特の味がして、これをクセがあると感じる場合もありそう。甘味を付けないと食べにくいです。
料理にぴったり水切りケフィアヨーグルト
ケフィアは「名前は知ってるけど売ってるのを見たことがない」という方も多いと思います。実はケフィアも粉末種菌でしか手に入りません。ケフィアの種菌にはいろいろ種類があるんですが、今回はスーパーでも見かける「ホームメイド・ケフィア」を使ってみました。
ギリシャにしたら
ケフィアヨーグルトは酸味が無く食べやすいですが、味が独特。爽やか、さっぱり感があまりなく、デザートというより料理っぽい味がします。ヨーグルトのキメが粗く、ギリシャヨーグルトにするにはあまり向かない気がします。プレーンで食べた方が食べやすく感じました。
カスピ海ヨーグルトを水切りしたら・・・
トルコアイスのような粘り気がクセになるカスピ海ヨーグルト。粉末種菌から作ると最長で3か月作り続けることができる優秀なヨーグルトです。発酵温度は20~30℃なので、ヨーグルトメーカーがなくても作ることができます。
ギリシャにしたら
今回は水切りに失敗したので比較対象から外れましたが、キッチンペーパーやガーゼを使って水切りすれば、濃厚でクリームチーズのような美味しいギリシャが出来ます。ただ今回の失敗からも分かる通り、市販の水切りポットでは水切りできない場合があるので注意が必要です。
【おまけ】ホエイも比較しました
ギリシャヨーグルトを作るとどうしても出るのがホエイ。それぞれのホエイの量も調べてみました。ホエイもヨーグルトと同じで、一口飲めば分かるほど味が違います。ということで最後はホエイの味をチェックして、使いやすいホエイはどれなのかを探ってみたいと思います。
ダヒのホエイが美味しい!
ズバッと結論から言うとダヒのホエイが一番美味しいです。ダヒのホエイは、わずかに酸味があり爽やかで無糖でも飲めてしまいます。カルピスと混ぜたり、ラッシーなどのホエイドリンクにもしやすく、酸味が少ないので料理に入れても素材の味を邪魔しません。
RANK | 商品名 | 特徴 |
---|---|---|
1 | ダヒ | ちょうどいい酸味が爽やかでホエイだけでも飲みやすい。クセもない。これなら捨てずに使おうかなと思わせられる。 |
2 | R-1 | 酸味が強すぎないのでホエイだけで飲めないことはない。甘味を付けてホエイドリンクにしても美味しいし、カレーやスープに深みを出すのに丁度いい酸味の強さ。 |
3 | パルテノ | 酸味が無くて水みたい。料理に使うにはいいけど、ドリンクにするならもう少し酸味が欲しい。 |
4 | ブルガリア | 酸味が強くてホエイだけでサラッと飲めるという感じではない。ドリンクにしても酸味が強すぎてなかなか美味しさを感じにくい。料理向き。 |
5 | ケフィア | 酸味が無く無糖でも飲める。ただ、爽やかさは無く出汁っぽい味がしてドリンクには向かない。料理に幅広く使える。 |
6 | ナチュレ恵 | 酸味が強くてホエイだけでは飲めない。ヨーグルトの時にも感じた独特の味がするので、味付けの薄いドリンクなどにはマッチしにくい。 |
最初パルテノのホエイも酸味やクセが無くて使いやすいと思いましたが、実際に料理に使うと、適度に酸味や清涼感があった方が美味しいと感じるみたいでした。